発想の転換が必要
スプリンターズステークスの過去10年で、もっとも最速の上がりを使ったのは2005年のデュランダルだろう。
同馬は典型的な追い込み脚質で、このときも3ハロン32.7秒という次元の違う切れ味で追い込んだ。
しかし、先を行く香港馬サイレントウィットネスを捕らえきれず、2着に敗れている。
「短距離の指し馬」という格言があるように、1,200メートル戦のようなレースでは、オーバーペースで飛ばした逃げ・先行馬を差し・追い込み馬がゴール前で捕らえるシーンは多々ある。
同レースもその例外ではない面もあるが、さすがにGIともなると、前に行った馬も簡単には止まらない。
先のデュランダルの例もあるように、過去の結果をみると、逃げ・先行馬にやや有利なレースではないかと考えられる。
この傾向がとくに強く出るのは、道悪競馬においてである。
2004年のスプリンターズステークスを逃げ勝ったカルストンライトオはその好例だろう。
同レースは、1分9秒9という勝ちタイムが示す通り、大変な不良馬場だった。
このとき同馬はGIII勝ちしかなく、古馬GIも初出走だった。
最終的に単勝5番人気だったが、もし良馬場であったら、もっと低い人気だったろう。
本来なら2着に0.7秒もの大差をつけて勝てる馬だったとは思えないが、道悪のうまさは予想できた。
前年の不良馬場でのレースだったアンドロイドステークスで、桜花賞馬シーイズトウショウに勝っていたからだ。
たとえ人気でも、差し・追い込み馬を過信しないことが、同レース攻略のポイントである。
とくに、道悪になった場合は予想をやりなおすくらいの発想の転換が必要だろう。